炭酸ナトリウム(Na2CO3)の塩酸での中和滴定 炭酸ナトリウムの塩酸での中和滴定に関する問題では次のような問題がでてきます。
さて、ここで、実際に化学反応式を見てみましょう。グラフで、@にあたる部分の反応は Na2CO3 + HCl → NaCl + NaHCO3 ・・・@ となります。これが(1)の@のときの化学反応式です。Na2CO3 + 2HCl → 2NaCl + H2CO3といきたいところなのですが、いきなり、ならずに、一度、NaHCO3になってから、次の反応がおきて、最終的には塩化ナトリウム(NaCl)と炭酸(H2CO3)になるのです。これは決まりごとですから今の段階では覚えておく必要があるかと思います。@の反応が起こると次にAの反応も起こるのですが、(2)をやるために、とりあえずは、ここでAの反応の話はとめておきます。 これをみてどう思うでしょうか。これは中和滴定なのですから、もちろん中和反応です。Na2CO3は反応式の右辺を見ると、H+を受け取ってますから、塩基です。HClはいうまでもなく酸です。ですから、中和反応なんです。では今まで、やってきた中和反応とみてどうでしょうか。今までやってきた中和反応はたとえば NaOH + HCl → NaCl + H2O Ca(OH)2 + H2SO4 → CaSO4 + 2H2O といったものではなかったでしょうか。このぐらいなら理解ってるよていう方も多いのではないでしょうか。でも@の式はよくわからないなぁといった方も少なからずいるはずです。ではなぜわからないのでしょうか。上の2つの式と@の式の大きな違いは塩基にOH-が含まれていないということなのです。OH-が含まれていれば、化学式見ただけで、価数がわかります。NaOHならOH-が一個なので1価、Ca(OH)2ならOH-が2個なので2価ということになります。じゃぁNa2CO3はいったい何価なのかと、思うはずです。だって、OH-がないから何価かわからないじゃん!でも原点に戻ってください。塩基と酸の定義はどのようなものだったでしょうか。
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![]() では(3)の問題にいきましょう。まず、@の部分で起こる反応は、 Na2CO3 + HCl → NaCl + NaHCO3 ・・・@ です。次に、Aで起こる反応は NaHCO3 + HCl → NaCl + H2CO3・・・A となります。@で発生したNaHCO3のすべてがAで反応するのです。ですから、Aで反応したNaHCO3のmol数は、@で発生したNaHCO3のmol数と等しいわけです。 ![]() ですから、Aのときに使ったHClは、@のときに使ったのと同じ量なんです。グラフより、@の時に使ったHClは10mlです。したがって、Aの時に使ったHClも10mlです。ですから、第2中和点までに使ったHClは10+10=20、つまり、20mlなのです。 |